齋藤孝 感化する力
個人的に、人を感化し影響を与える力について、誰もが持つものだと考えている。例えば会議に出席して、難しい表情を作って何も発言しなくとも、それは同席する人に何かを感じ取らせ、会議の結論に不満があるのか? と問わせる。
他者に行動を取らせるのである。
吉田松陰は誰もが持つ「感化する力」が異様に強かった。
だから、かの有名な松下村塾の出身の塾生たちは明治政府・維新の礎を築いたとされる。
具体的に「感化する力」とは何なのか、知ることを目標に本書を手にとった。
吉田松陰に纏わる子細な経歴やその活躍の背景、著書については多くのメディアで著されている通りなので割愛し、本書を読んでの感想を以下に述べる。
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コミュニケーション経路
サークル型
- 巡るように伝達される=意思伝達は遅い/誤りが含まれる
- 協力行動・集団規範が見られる
- 満足感が高く、モチベーションが高い
- 複雑な問題解決に有利
スター型
- リーダーを中心とした伝達=意思伝達が迅速/誤りが少ない
- 集中権限
- 統制がしやすい
- 指示待ち行動、モチベーションが低くなる
- 複雑な問題の解決には不利
年功賃金と長期雇用
日本型経営の3種の神器
環境の中の各ステークホルダーの長期的な関係構築を目的としている
※ 取引慣行や企業統治にも現れている
勤続年数や年齢に応じて役職・賃金を上昇させることで、「従業員と企業との安定的な関係構築の基盤」であるといえる。
- 若年齢時代=生産性<賃金(育成・投資対象)
- 中年齢時代=賃金<生産性(投資回収)
- 高年齢時代=生産性<賃金(投資対象)
※ 年功とは、「長(年)の(功)労・(功)績のこと」であるが、1時間あたりに組織へ貢献する価値でみた生産性からいうと、高年齢時代はだんだん低くなっていくと言える。
しかし、勤続年数があがることによって、経験スキル・ノウハウが蓄積されるというメリットがある。
年功序列制のメリット
年功序列制のデメリット
- 組織の評価基準が勤続年数であるため、社員は目的意識を持ち図楽、生産性向上が難しい
- 社員の高齢化による人件費高騰
- 若手社員のモチベーション維持が難しい
- 不確実性への対応が難しい(意思決定層の多様性の欠如。新奇性によるイノベーション創出が容易ではない)
社会的ネットワーク
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社会的ネットワーク
;個人や集団などの主体間のつながりのこと
- 結びつきが強い/ネットワーク密度が高い=強紐帯、結束型ネットワーク
特徴
- 頻繁に接触がある・やり取りの機会が多い(家族・同じチームの同僚など)
- 共通項が多い=文脈が共有されている同質的(価値観が同じ)
- 相互理解が進んでいる=協力行動が多い/調整が円滑(新たな決定前提の理解が早い)
- 信頼関係が構築できている
- 凝集性(この集団のメンバーならば…という期待)が高い
- 集団規範をうみ、さらなる同質化が進む
- 閉鎖的なコミュニティとなりやすい
- 結びつきが弱い・緩やか/ネットワーク密度が低い=弱紐帯/橋渡し型ネットワーク
構造的空隙が広い・大きいほど緩やかで弱いつながりで、異質なコミュニティに所属している
特徴
- 頻繁な接触・やり取りはない(普段合わない親戚、元同僚など)
- 触れる情報に重複が少ない
- 広い範囲から多様な情報が得られ、目標のブレイクスルーやイノベーションを促進するなど、より良い意思決定につながる可能性が高い
- そのため、役に立たない情報であることも多い
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同業種の同型化
特定産業における組織の同型化の原因=活動する環境が同じ
組織はその生存のために環境に適合しようとする。つまり、環境の要請に答える必要がある。
このことから、同じ環境で活動する組織の構造・活動は類似していく。
類似理由は、大きく分けて以下2点が考えられる
- 競争的同型化(経済的効率性を含む、環境との機能的適合)
- 制度的同型化(一見逆機能的ではあるが、社会的な正当性への対応のための適合)
正当性;社会に構成された規範・価値観などからなるシステム(制度的環境)における、組織に対する望ましさ・正しさ・適切さなどについての一般的な知覚。組織が外部から認められた結果として得られるもの。組織は、これに活動の自由を制約されている。
- 強制的同型化(強大な力を持つ外部からの圧力による)
- 規範的同型化(専門家クラスターの、それぞれ属する組織で活動による)
- 模倣的同型化(不確実な状況下で、ある組織の成功行動を模倣することによる)
事例としては、
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