リーダーシップのコンティンジェンシー理論

コンティンジェンシー理論以前のリーダーシップ研究は、リーダーそのものの資質や、行動特性など、リーダーシップそのもののスタイルに重きをおいた研究多かった。

その中で、リーダーシップスタイルは、業績との有効な関係性を発見することはできなかった。

そこで、リーダーシップ研究は、リーダーの資質や行動は、状況に応じて変える必要があることや、リーダーは状況に応じて異なる役割を担う必要があるという要請からコンティンジェンシー理論は出発した。

 

コンティンジェンシー理論は、状況適合理論とも呼ばれる。

普遍で最適、いつでもどこでも通用する万能なリーダーシップスタイルを提供するモノではなく、むしろ状況や環境に適合したリーダーシップスタイルが必要だとするモノである。

 

代表的なのはフィードラーによるコンティンジェンシー・モデルである。

部下によるリーダーシップスタイルの評価指標であるLPC(リーダーが対人関係に示す寛容さの程度)と、

3つの状況条件(リーダーとの関係・課題の明確さなどの職務特性・職位パワー)を掛け合わせて業績との有効性を示している。

 

また、パス・ゴール理論では、リーダーがどのようにフォロワーを動機付け・満足させているか分析された。

主要な主張には、フォロワーに受け入れられてこそリーダーの立場が成立するところにある。

 

実務的な示唆としては、指導的な立場(リーダー)に立つ者には、

万能な特効薬としてのリーダーシップを求めるのでなく、

組織目的や部下の特性や成熟度や外的環境などをよく分析し、検討の上どのような行動が受け入れられるか、どのような振る舞いが求められているか、足元の状況を見つめ直すことから始めることがいえる。