組織プロセス

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組織の公式構造や自生的構造、組織文化により決定前提が共有されているが、ここで決まりきっていない決定前提はコミュニケーションによって調整される。

決定前提を調整することは次の決定前提を関する制約となり、この影響は小さくない。

この際に、個人性の浸透・顕在化が見られる。これを組織プロセスという。

 

そもそも、組織へ参加する個人の目的と組織目的には乖離があるという前提にたてば、公式構造に個人の目的(個人要素)が入る余地や隙間がある場合、それが表出するのは道理であると考えることができる。

 

個人は、個人自身やその属する集団の目的達成のために影響力を行使する。

その行使は、方法や影響により、以下の3点に分けられる。

  1. リーダーシップ
  2. ポリティクス
  3. 組織ダイナミズム

リーダーシップについては以下記事に説明を譲る。 

hhnk.hatenablog.com

 

このような目的による個人的な影響力(パワー)の強さの根源には、以下の4点があると考えられる。

  1. 資源の希少性と偏在性、重要性
  2. 個人の特性
  3. 社会的資本
  4. モニタリング能力

 

1。ここでいう資源とは、他者を支配するに十分な動機付けを行うことができるモノのことである。その母数は多くなく(=手に入れられる機会が少ない)、平等に配分されず(持つものと持たざる者がいる)、重要である場合(その主体の存続に関わるなど)、それは影響力を持つ。

 

2。カリスマ的特性を持つもの、支配パワーを持つ。

 

3。社会的ネットワークを複数、多様に有するものは、これ自体が資源となる。

情報網として活用したり、ブローカーとなって紹介することで、他者の貢献を促す誘因を生むことができる。

 

4。影響力を発して行動を促したとしても、その結果や行動自体を把握できなければ口約束で終了させてしまうことができる。影響力の結果を監視されている・することができると他者が感じて初めて、影響力は効力を持つのである。